グレープフルーツにはフラノクマリンと呼ばれる物質群が含まれているものがあります。このフラノクマリン類は降圧剤など一部の薬の成分を分解する酵素にくっついて分解の邪魔をしてしまうという性質をもっています。これによって、医薬品成分の血中濃度が予定通りに低下しないために副作用が起きうるのではないかという事が言われています。
このことから該当する薬の服用中はグレープフルーツあるいはそのジュースは念のため控えるという指導が行われる事もあるようです。
…と、いう話を
昨年秋のサイエンスカフェでやりました。(今月末にもこの時の講師の方をお呼びして今度は
花粉症でやります。お待ちしてます。宣伝)
対策として思いつくのはフラノクマリンがくっつかない成分を含んだ薬の利用や開発、あるいはフラノクマリンが含まれないグレープフルーツの開発というあたりですが、昨年そんなグレープフルーツができていたようです。
Florida researchers develop medically safer hybrid grapefruit (ロイター)
品種改良で作った40種類のグレープフルーツのジュースを実験していたら、フラノクマリンの含有量が極めて少ないグレープフルーツがあったようです。
“In science we sometimes benefit from happy accidents,This is one of those times.”だって。(でも、その開発が目的じゃなかったのかしら)
「どの位少ないの?」に関して定量的な情報が見つからないのですが、とりあえず極めて少ないということは強調されてました。さっきのリンク先のインタビューによると人での実験も計画中のようですね。
現在このグレープフルーツはUF914と呼ばれています。「pummelo」と呼ばれる品種を親に持つのも特徴であるとか。品種名(商品名?)はどうなるんでしょうね。大量生産も計画してるようなので、そのうち日本にも入ってくるようになるのかもしれません。ちなみに果肉は赤の模様。
※ちなみにこれは今日ツイッターで入ってきたニュースなんですが、関連する論文やプレスリリースは昨年末に発表されていました。
プレスリリース(フロリダ大学)
論文その当時ABCニュースも取り上げていたようです。
動画付き記事