日頃ヒッキーな管理人ですが、今日は中野区で企画されていた
食品安全情報blog管理人の畝山さんの話を聞きに行ってきました。(詳細にリンク貼ろうと思ったらすでにページ消えてた…)
ばか正直に先に謝っておくと講演の1/4くらいは寝ぼけてました。
真正面で。不安的中。スミマセンスミマセンスミマセン…畝山さんの話の内容そのものは、化学同人からでてる「ほんとうの「食の安全」を考える」(記事末尾にリンク)に沿ったものでしたので割愛しますが、本書になかったものといえば、物質ごとの暴露マージン(MOE)やリスクの大きさを並べた表のあたりかな。
(本書を読み直して行けば良かったと開催直前に軽く後悔しました。)
まぁそんな事で、畝山さんの講演のあとの参加者同士の話し合いおよび質疑応答など合計で1時間程度の場がありまして、そこでメモったり感じたことを。
一般参加者の方々は、異口同音に「難しい話だなー」とこぼしてました。
まぁいきなり、横文字やら略語やら出てきたり、リスクとはハザードと確率(暴露量)のかけ算だとか、農薬や添加物は実質ゼロリスクになるように厳しく管理されてるから安全で、コントロールできない天然に含まれるの物質のがリスクは高いなんて「巷の常識」から外れる事いきなり言われたらさもありなん。
「どうすればいいんだ」という声もちらほら聞こえてきました(
が、質問はなかったですね質疑応答のところに書いてるじゃんね、俺…)。
健康食品やサプリがリスクが大きいという話に対しては多くの人が衝撃を受けてたようです。ただじゃぁそれではどうすればいいのか、といった質問はこれも出なかったですね。みなさんどう受け止められたのだろう?
食中毒の原因分類の一つに化学物質というのがあるのだけど、これはほぼ全部ヒスタミンによるものらしいです。(分類や比率なんかは
食中毒の記事の三つ目のグラフをどうぞ。)
質問は5グループから1つずつ+αでされたのですが、グループ毎のを大別するとガンに関してとリスクに関する内容でした。
Q.日本人に胃ガンが多いのは何故か
A.
ピロリ菌とピロリ菌の存在にくわえ食塩を高濃度で一度に摂取する機会が多いから
Q.抗ガン剤に発ガン性があると聞いた
A.抗ガン剤による二次発ガンは数十年後なので高齢者は気にしなくて良い。子ども達にやるときは注意が必要。-子どもに関する応答はメモし損ねた
Q.結局リスクを下げるにはどうすればいいのか
A.どんな食材でも、色々な地域のものを食べれば下げられる。-例えば足尾銅山のイタイイタイ病も今で言う地産地消が中心だった人たちほど重症だったという話だった
Q.安全係数の違いは何故か-講演では魚中メチル水銀(安全係数4)とカドミウム(同2)が例示されてた
A.一律に決めると食文化や土地の特徴から色々な弊害が出てしまう。設定値は政治的判断。-例えばカドミウムの基準値を下げると日本の米は厳しいことになる、など
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招聘された組織の?方々の話を聞いてると、放射性物質についての内容を期待してたらしく、農薬や添加物などの化学物質(このくくり方すると放射性物質は物理物質てか?)中心の内容にちょっと戸惑ってられてるような感じも受けましたが。
放射性物質についてはMOEの解説において、LNTに従うなら10mSvでMOEは10程度になるだろうという話と、質疑応答の中でLNTは防護の考えで危険性を過剰に評価したうえで採用してるという解説。このくらいだったかな。
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今日もツイッターで、結果の重大性が大事なんだと「ハザード」だけを重視してる方の意見を見かけましたが、現実的にはそれが起こる確率を加味した「リスク」で考える方が意味あるんだという考え方を僕は支持してます。
今回の講演では、添加物や農薬を題材にその話でしたが、これは基本的にそのまま放射性物質、すなわち被曝による確率的影響(要は発ガン)にも適用できるので、気になる人はまともに解説されてる本を読まれると良いと思います。
とりあえずは、講師の畝山さんが書かれた本を以下に2冊紹介します。
今回の講演は殆どこの本の内容に沿ったものでした。図表や例もほとんど一緒。
安心を得るために安全を学ぶ2冊:ゼロリスク幻想編 このブログでこの本の紹介をしました。
こちらは僕は未読ですが、食品関係者の評価が高いです。放射性物質はこちらで触れられているようです。購入予定。
そして講師の畝山さんのブログ、
食品安全情報blog私信:ここで配布された資料、サイエンスアゴラの時に持っていく予定なので来られる方は声かけてくだせー。